第4章 初めての感情
ーある日の部活にてー
「不二~!今日は俺と試合やろ~ぜ!」
「あぁ、英二。僕だって負けるつもりは無いよ。」
「不二と菊丸が試合か。わかった。お前たちは手前のコートでやるんだ。」
「分かった!負けないぞぉ~不二~!」
「延各。お前はあいつらの試合を見ているんだ。」
「私が、ですか?」
「あいつらが無理をしないように見てて欲しいだけだ。心配はいらない。」
「そうですか。わかりました。」
(不二先輩のテニスを近くで見てられるんだ……。なんだかワクワクしてきちゃった。)
羅夢音は笑顔になった。
「あれ……?羅夢音っち。何してるの?」
菊丸が羅夢音に聞いた。
「手塚部長に、試合を見ているように指示をもらったんです。」
「えー?どうして……?」
「無理をしないようにしてほしいからです。近くにいれば、すぐに声が掛けられるじゃないですか。」
「……ということは……」