第4章 鍛練と迷宮
その後、鍛練場に行く前にノームの貸金庫を案内してもらった。
見たこともない額に驚きながらも、下着を買う時に払ってもらった金額を返そうとしたら却下された。
入団祝いやら記憶が戻ったお祝いとのことなのだが、あまり納得できない。
そんな複雑な胸中の中、皆と黄昏の館へ向けて移動していた。
のだが…一つだけ話せていなかったので気になっていた。
戦闘用、普段着用、その両方共に丈夫過ぎる…
その件はよくわかったし、小物入れもベルトもまた無事で無傷だった。
空間に影響を示すほどの全力の魔力を刀身に伴って繰り出した刺突をもっても貫けなかった。
それも全方位から同じ衝撃が針のように突き刺さるようにしてもなお…全くの無傷だった。
だからこそ、ベルトと小物入れの説明を受けていないことに違和感を感じて移動中にこそっと見てみることにした。
すると…
キラキラ
小物入れの中身を見てみると、それはどう見ても金属かと思えそうなものであった;
何これ…;どう見ても革じゃない。
というか革なのはベルトを覆っている外側だけ、何故に内側がデュランダル!?;
あ、デュランダルっていうのは不壊属性のことで、オリハルコンのことでもある。
あれ?メモがある。
「すまん、革の素材があまり無くて足りなかったので内側は見た目上むき出しとなってしまった。
ただ余った素材全てを使って、未知の素材と似た性質を持つ衝撃吸収素材を生み出すことに成功した。それ故物凄い!
実験してみた結果、触れれば割れるような『繊細な物』であってもこの中に落としたり取り出した時に一切割れることはないほどだ!
耐久実験ということで何度も何度もそれを中に入れたまま振り回したが割れもしなかった。
なので性能は抜群だと思って欲しい。
割れ物を中に入れた後でも安心して存分に動き回ってくれ!健闘を祈っている!!」
そういう問題じゃないんだよおおお!;見た目!!;見た目の問題いい!!!;
どう見ても金属じゃんか!!;
ぷに
ぷに?;あ、透明のジェルみたいなのが中に敷き詰められてる…
なるほど、これが衝撃吸収素材か…しかも革よりも体積を取らない。
そっか…容量を増やす為の工夫だったんだ。
道中でばれないよう、再び奥義でまた同様に刺しても傷一つ付かなかった。
流石だ。
そう納得した折、ホームへ辿り着いた。