第5章 遭遇と探索
フィン「こいつはモンスターだと目の敵にした所で、そもそも襲う気も微塵もない」なでなで
「きゅるる」ぺろぺろ
フィン「逆にこうやって甘えてくるぐらいだ。
本気になれば、いつだって殺せる実力を持つ僕らに恐れもせずにね。
ただの無邪気な赤ん坊と同じだ。
ならできることをさせて、大いに利用すればいい。負担も減るだろうからね」
アイズ「……」
フィン「ただし今はもう暗いから、明日になってからギルドに登録しよう」
ケイト「わかった」こくこく
アイズ(わかってない…襲わないと、モンスターは)
「きゅー」すりすり
アイズ「!…何で」
「きゅ♪」ぎゅう
ケイト「え?;いつの間に抜け出して!?;」
アイズ「……」すっ
アイズが子熊に手を伸ばすと、子熊はその臭いを嗅いでからペロペロ舐めだした。
アイズ「本当だ…ただの、動物と同じなのかな?」
リヴェリア「おそらくそうだろう。
今までにない例だが…たまたま心を宿して生まれたのかもしれない」
フィン「今までにない例だけどね。
この子ならきっと馬の上に乗って護ることだってできるはずだ。仕込めばね。
2人でタッグを組むなんていうことだってできそうだ」キラン
リヴェリア「なるほどな…
(利用できるものは利用する)実にお前らしい考え方だ」ふっ
フィン「ははっ。褒め言葉として受け取っておくよ^^」くすくす
アイズ「……ごめんね。
決めつける前に、君と向き合えば…触れ合えばよかったね」
そう優しく微笑みかけながら撫でていた時…心に変化が現れたように見えた。
ケイト「ずきんっ)…もし、殺したのがモンスターなら…
私は…街の人達と同じことができてしまったかもしれない。
その可能性が…私はとても怖い)
気持ちいいでしょ?^^//♪」
痛む心とは裏腹に、褒められたことが嬉しくて笑みを浮かべながら言い放った。
アイズもまた、予想外だったみたいで…
俯いたまま「うん」という言葉と共に、優しい眼を向けて撫でていた。
ケイト「白いからシロって呼ぼうかな♪」
アイズ「もう少し考えた方がいいと思う」きっぱり
少しだけ…少しだけ、わかった気がする。
アイズの気持ちが、なんとなくでだけど…殺されたからこそなんだろうなって想いが……
そう思いながら、この子の名を考えた。