第4章 鍛練と迷宮
フィン「青いね…でも、間違ってはいない」そっ
その想いも含めて言うと、フィンはそう言って優しく頭を撫でてくれた。
フィン「哀しみを知るからこその想いもある。
不測の事態で傷付くこともあるし、その傷が致命傷の場合なら
助けられるのに助けないという選択肢を取れば、後々苛まれるだろう。
もしそれに罪悪感を感じないのなら、それだけの人だということだ。
君の場合はそうじゃない。
そしてそれは…大切なものだ。
判断能力を失わせるかもしれない。それでも掛け替えのないものだと言ってもいい。
命は失われれば二度と蘇らない。二度と目の前に現れることもない。話すことさえもできない。
残るのはその人と過ごした、想い出だけ。
君の場合、魂が身体から離れればだけどね…
それもまた、あの記憶を取り戻した後で身に付けたことだ。
失ったからこそわかることもある。
ここに来られてよかった?」
ケイト「うん…
あの街の時と比べれば天国だ。比べるのもおこがましいぐらい(苦笑)
いいことばかりがたくさんあって、見たことないものばかりで、初めての経験ばかりで…
心配されることや受け入れられること自体、人生で3回目でそれこそ多くなかったから余計に嬉しくって…
でも…失えばそれまでだから」
リヴェリア「言いたいことはわかる。
が、その判断に関してはギルドが行うものだ。実質上執り行われていない。
しかし、余裕がある時ならばいいかもしれない。
いずれにせよ悪目立ちする可能性は否めないから、普通の馬車を用いる方がよいだろう」←どうせ目立つのならという意
ケイト「そっか。
私がいない時は緊急運搬用として使ってもらうしかないのかな」
アイズ「無理をしたらダメ。無理をして倒れたら助けられるものも助けられなくなるから。
余裕を無くせば普段できていることもできなくなる」
ケイト「うん…わかった。ありがとう。少し、落ち着いた」
フィン&リヴェリア/アイズ『気にするな/よかった』
アイズは背に、リヴェリアは肩に、フィンは頭に手を当て未だ撫でててくれていた。
落ち着かそうとしてくれたのが、温かい感情がひしひしと伝わってきた。
それから後、馬車の構造を話し合ってあらかた固めることに成功した。