第2章 新しい仕事
『んん…ふうぅっ……はあー良く寝た……仕事!』
大きく伸びをした後、ハッと我に返り、寝坊したと思って勢い良く飛び起きた。
しかし、周りを見渡し昨日のことを思い出した。
『そうだった…私、審判者になったんだった。あ』
ふと下を見ると、昨日屋根裏部屋で見た布団があった。
陸奥の言った通り寝心地は良かった…気がする。記憶が無い。
『昨日いつの間に寝たんだろう…風呂には入ってないよね、昨日の服のままだし』
視線を下に向けていると、黒いものが視界に入った。
それは、置手紙とタブレットだ。
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審神者様、こちらのタブレットでは時間遡行軍の出現を確認したり遠征可能な場所を確認する事ができます。
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『ほう』
手紙の右端には可愛らしい肉球の判が押されていた。
タブレットなら使い慣れているので操作になんの苦労もしなかった。
『えーっと…あ、函館っていう所に時間遡行軍…』
ボーッと画面を眺めていると、パタパタと誰かが部屋へ近づいてくる音が聞こえた。
「おはようございますあるじさま!」
『今剣、おはよう』
「おはようございます主さま。良く眠れましたか?」
『五虎退、おはよう。良く眠れたよ』
「きのうのよる、あるじさまをよびにいったらもうねむっていたので、とてもおつかれだったのですね」
『え、そうなんだ』
「はい。起こすのが申し訳なくて、その、すみません」
『大丈夫だよ!気にしないでいいからね、五虎退』
「すみません」
2人の話によると、入浴後私に風呂が空いたことを知らせに来たが、眠っていたため陸奥が屋根裏から運んできた布団を敷いて寝かせたのだという。
『そうだったのか…陸奥にもお礼言わなきゃ。2人とも、ありがとうね』
2人はにこっと笑うと、今剣が私の手を引いた。
「いま、むつのかみがあさげをつくっています!はやくひろまへいきましょう!」
「今日の朝餉はなんでしょう。楽しみです」
あさげ…朝食のことかな?昨日のお寿司でまだ胃がモヤモヤしてるからあんまり食欲ないんだよな…でも陸奥が一生懸命作っているのを想像したら…行かないわけには行かなくなった。
『よし!その前にさっと身体を洗いたいな、お風呂場まで案内してくれるかな?』
「「はい!」」
『ありがとう。…えーっと着替え着替え……こんな引き出しっていうか箪笥?あったっけ』
