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妖じゃなく婆娑羅者

第1章 本編00~06【完】


05

大谷さんに作って貰った札が凄い威力を発してて
知り合いの妖以外、悪意のあるモノは近付かなくなった。

どうしよう、凄く安心する。
今までに無いくらい穏やかな暮らしに安堵しながら

今度大谷さんにお礼しようと、名物の店を見て回った。
食べ物がいいかな、市さんの屋敷には何人住んでるんだろう?

「先ずは大谷さんと、市さんと、石田さん、元就さんかな」

意外に元就さんが甘党だと聞いて、この前少し笑ったら怒られたなぁ

お饅頭が美味しいと有名な店に立ち寄って。
屋敷に続く森の中の道で不思議な3人が歩いてた

市さんの屋敷の人かな?

詮索する趣味は無いから、にゃんこ先生を肩に乗せた時
驚いた事ににゃんこ先生から3人に声を掛けた

「おー、黒羽に雹牙!昴も久しいの!」
「ちょ!?にゃんこ先生!」

振り向いた3人は、にゃんこ先生を凝視して

「今喋ったのはこの猫ですか?」
「は、はい」
「お前は何者だ、軽々しく呼ぶと鍋にするぞ豚猫」
「ええい、ワシがわからんのか!」

全力で怪しんでる3人の前ににゃんこ先生を差し出して

「あの、斑と言う妖をご存知無いですか?」

そう伝えたらああ、と。良かった知ってたみたいだ。

「君が夏目貴志殿ですね」
「あ、はい」
「屋敷に向かって居たのだろう」
「目的は一緒ですね、一緒に行っても?」
「はい、喜んで」

聞いてビックリした、この人達って市さんの忍だって。

「今では忍は後にヒトの想像で創られた物だと言われてますね」
「実際居るのだと歴史学者に見せてやりたいな」
「面倒なんですね、色々と」

黒羽さん、雹牙さん、昴さんはのんびりとそう笑ってて。

屋敷に着いた時に市さんに挨拶をして
お土産を大谷さんの分は俺が持って行く様に何個か小分けにして

屋敷内に失礼させて貰った。

「貴志か、その顔を見ると効果はあった様よナ」
「はい、凄く効果があって。あ、これお土産です」
「済まぬナ」

大谷さんに頭を撫でられて。
途中から元就さんも混ざって

こんなに気楽に話せる大人は今まで居なかった。

名取さんにも紹介してあげたいな
ふと、そう思ったんだ。
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