第9章 無神ユーマ【野望】
シュウは全てを話した
彼の本当の名前、家族、友人、あの火事の事....
シュウがユーマを見たのは、自分の家族を助けに炎へ飛び出したのが最後だそうだ。
記憶のパーツは段々埋まっていく....
だが、ユーマは全てを受け入れる事は出来無かった
「その後....村はどうなったんだ....?」
シュウは少し目線を逸らし
「全焼した....そこに住んでた人間はみんな助からなかった。....お前を除いては」
「っ....」
話を聞いていたユイは信じられないような顔をしていた
ユーマは1つの疑問を抱く
「誰なんだ....村に火をつけたのは」
ユーマは拳を握り締める
「....それは俺だ。俺がやったんだ」
シュウは自分を責め続ける
「うそ!シュウがそんな事するはずない!
だって、2人は友達だったんだから....」
「じゃあ、誰がやったんだよ!?」
『私ですよ』
突然、ある人物が声を出し
こちらに歩いてくる
「お前は....逆巻の....」
丁寧な口調からは裏腹に、卑劣な笑みを浮かべる
「彼の村に火を放ったのは私です 」
「レイジさん....」