第9章 無神ユーマ【野望】
ユイは学校に来ていた
貧血で辛かったが、気晴らしになるだろうと
それに....家にいるとユーマは自分の体調に関係なく血を吸う
だが....ユイはそれを完全に拒否する事も出来ずにいた....
彼の心の傷が少しでも癒えるなら
しかし、本当は逆なのかもしれない
自分が居ることで、ユーマは苦しみ、イラついているのではないか....
階段を登ったところで、前からある人物が話しかけてきた
「おい。あんた」
「え....し、シュウさん」
驚いた
無神に来てからシュウさんとは一度も話していなかった
「ど、どうしたんですか?」
逆巻兄弟に会うとどうしても身構えてしまう
「あいつ....ユーマは来てないのか?」
「え....
はい。来てないです」
まさか、ユーマの事を聞いてくるとは思わず返答が一瞬遅れる
「なるほどな....」
シュウは1人何かに納得したように言う
でも、なんで....シュウさんが....
「おい。」
トンッ
突然シュウはユイを壁に押し付ける
そして、顔を近づける
「や、やめてください!」
「ふっ。あんた、少し見ないうちにまた匂いが変わったな
前より、ますます甘くなった」
そうこうする内に、生徒が階段を上がる音がする
「離して!」
ユイは抵抗するが、思い切り押し付けられ
身動きが取れない
「チッ....場所が悪いな
おい、来い」
シュウはユイの腕を引っ張り
階段を登っていく