第9章 無神ユーマ【野望】
ー無神家ー
「よしっ」
ユイは一足先に家に戻り菜園の水やりをしていた
(ユーマくん遅いけど、どうしたのかな?
早く帰ってこないかな....)
なんだかユイの目は歓喜に包まれていた
ガサッ
菜園に誰かが入ってくる音がする
「あ、ユーマくん!」
ユイはユーマの元に走る
「遅かったね
あ!ユーマくんこっち来て!」
ユイは一本の薔薇に案内する
「この薔薇、咲いたんだよ!
ユーマくん大切に育ててたよね 」
ユーマはボスや仲間の為にこの薔薇を育てていた
仲間達の事を忘れないように....
世界を変える約束を果たすために....
ーー世界を変える....?
「ふっ....」
「ユーマくん?」
バサッ!!ガッ!!
ユーマは突然、菜園の花や野菜を壊していく
「やめて!!ユーマくん!!」
ユイは必死に止めようとする
「離せ!!」
「ビクッ!!」
(なんで....なんでこんな事するの....)
「はっ、こんなもん育てたってしょうがねぇんだよ!」
ユーマは薔薇を引き抜く
「あっ!!」
ユイはこの行動に不満を抱かずにはいられなかった
ユイはユーマを睨む
「なんだお前、その反抗的な目は」
ガシッ!!
ユーマはユイの体を抑え、思い切り血を吸う
「痛っ!!」
いつもとは違う貪るような吸血....
離れようとするが、力で勝てるわけもなく....
意識が遠のく....
「す........ね」
ーーーユーマ....くん?
意識が無くなる直前に見たユーマの顔は....
「すまねぇ....ボス....」
....失望に溢れていた