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不完全な『アダムとイブ』

第9章 無神ユーマ【野望】


ー屋上ー

「チッ....あのくそニート....」

ユーマは屋上で独り、ぶつぶつ愚痴を零していた
心無しか手の甲が少し腫れている


(あいつが、俺の過去に関係してんのは偶に見る記憶の断片で分かったが....)

「なんで、あの野郎なんも言わねぇんだよ!!」

バンッ!!

フェンスを思いっきり蹴る

ユーマが殴ってもシュウは口を割らなかった

「クソッ!!」

(今更、過去を知ったところで今の俺には何でもない....
あの時、ボスと過ごした思い出....

ルキやコウ、アズサ....それにらんに会えたこと....

そしてユイ達と一緒に過ごす今があればそれでいい....


だけど...)

ユーマはフェンスにもたれ掛かり
座り込み....自分の手を見る




ー本当は....俺は....ーーーー

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