第9章 無神ユーマ【野望】
「エドガー....?」
初めて聞く話に驚く
「あぁ。人間だった頃の名前だ
お前、確かアイツの背中に火傷の後があるって言ってただろ?」
「うん....」
「それは........あの時の火事のせいだ....」
「はぁ....なんで、こんなに辻褄が合うんだ。」
シュウはその後も独り言のように思いの丈を呟く
これは私の事を信じてくれていると思っていいのだろうか....
「その事....ユーマには言った?」
シュウは頭を掻く
「....アイツには言わない。」
意外な言葉に思わず動揺する
「え、どうして!?記憶が無くてずっとユーマは苦しんでた!....私には教えてくれたのに何でユーマには!」
「はぁ....知らない方が幸せな事だってあるだろ....
それにアイツは今、無神で楽しくやってんならそれでいいだろ」
「だけど、記憶が無いってことは、自分が本当は誰なのか、本当の家族や友達の事だって思い出せないって事なんだよ!?
そんなの....こわいよ....」
ぎゅっ....
泣きそうな私をシュウは抱き寄せる
そしてシュウは目を閉じる....
「俺の....」
「?」
普段のシュウでは有り得ない震えた
消え入りそうな声で言う....
「俺のせいなんだ....アイツを....
エドガーを殺したのは....俺だ」
「!」