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不完全な『アダムとイブ』

第9章 無神ユーマ【野望】


ーー目が覚めると俺はある街の路地に倒れていた....

俺は自分が誰なのか、何故ここにいるのか....
何もかも忘れていた....

そんな俺に、突然話しかけてきたのは
その街を根城にしているギャングのボスだった

名前の無い自分にベーアという愛称を付け面倒をみてくれた

家族も金も無く頭も悪い孤児達の集団だったが、俺にはひどく居心地よかった
自分には記憶が無く、辛く不安だったが
何故かそれでもいい....と思えた

ボスや仲間がいれば....それで....

だが....


ーーーーに、げろ....

周りの仲間達は次々に倒れていく
前には軍の兵隊が大勢いた....
俺達はハメられたんだ

辺りには銃声が鳴り響き
血が飛び散る....

ボスの腹も赤く染まりその場に倒れ込む


ーベーア...逃げろ....
逃げて、生きて、俺達の夢を叶えてくれ....ー

視界は涙でぼやける

ーーーー嫌だ、嫌だ。ボス!!

誰か....誰か....



頼むから....死なないでくれ....


ボス....ーーーー


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