第9章 無神ユーマ【野望】
ーーーーー無神ルキ
後ろから突然名前を呼ばれる
ルキはこの声に聞き覚えがあった
後ろをむく
「なんだ?逆巻の次男。逆巻レイジ」
予想通りレイジだったが、ルキは警戒していた。
なぜなら普段、同じ階の教室だが、話しかけられる事も話しかける事も無いからだ
「単刀直入に聞きます。あの無神らんという人は....一体何者ですか?」
レイジは、鋭い目つきでルキを見る
「なぜ、そんな事を聞く?」
ルキもレイジの行動、反応で彼の意図を探る
「興味本意です。あの方はなんだか、私達とは違うにおいがしたものですから」
(嘘だな....コイツは気づいていて聞いてきている....)
「フッ....ただの、人間....と言ってもお前は信じないだろうな。」
「ええ。ですが、ただの"ヴァンパイア"....と言われても私は信じませんよ」
「!」
その言葉の意味を理解し、ルキはすくなからず動揺する
(まさか....コイツ....)
「逆巻レイジ」
「なんですか?」
「お前がどんな予想や仮説を立てても、別に構いはしないが....
あいつに手を出す事は絶対に許さない」
ルキは教室に戻る
「ふっ....なるほど。やはりそうでしたか....」
レイジは不敵に笑う
ー人間にもヴァンパイアにもなれない存在....ー
「とても、醜い存在だ」