第8章 無神ユーマ
腕を引いているのは....
「シュウ!」
何故だろう....自分の腕を掴んでいるのがシュウだと分かるとなんだか温かい気持ちになった
「あぁ....はぁ、疲れた。どっか入るぞ」
ー空き教室ー
「ここなら誰も来ないだろ」
シュウは座り込む
「シュウありがとう」
逃がしてくれたお礼を言う
「ふっ....あんた大人しそうな顔して案外力あるんだな」
「あ、それは....」
(....なるほどな....さっきので分かった....コイツにも一応ヴァンパイアの血が流れてるのか....)
シュウは思う
「まぁ、いいや。
あ、そうだ。助けたお礼は貰わないとな」
「え?」
お礼と聞きさっきの事を思い出す
「何?俺のおかげで逃げられたんだから
お礼くらい、いいだろ?」
シュウは笑う
私はうーん....と考え
「私に出来る事ならなんでもいいよ」
「ふぅーん....なんでもいいんだ
じゃあ....」
グイッ!!
シュウは私の腕を引っ張り
私とシュウの距離は一気に狭まった
「近いよ....シュウ....」
思わず抵抗してしまう
「....なんでも、いいんだろ?」
シュウの整った顔が微笑みかけ、私は赤面してしまう
初めて感じるこの感情に動揺する....
「........だめ....//」
バッ!!
シュウを押し返す
シ「痛っ........なんだよ、あんた。
キスも出来ないわけ?」
「なっ!!///」
思わず大声を出してしまう
シ「ふっ....顔真っ赤。ほんと面白いな」
シュウは私の顔を見て笑う
シ「まぁ、今回は違う事にしてやるよ」
その言葉を聞きホッとする
「違う事って?」
シュウは一瞬考え....
「お前のとこの無神ユーマってどんな奴なんだ?」