• テキストサイズ

不完全な『アダムとイブ』

第25章 家族


扉の向こうから姿を現したのはシュウとらんだった

2人とも正装を身に纏い

1人1人客人に挨拶をしてまわる


「はぁ....だる」

一段落付き、2人は目立たない端のテーブルでグラスの中のワインを啜る

「ふふっ。頑張ってるね、シュウ」

言葉では面倒だと言うが、彼はちゃんと自分の仕事をこなしていた

「まぁな

それより、体の具合は大丈夫か?

別に、無理に出席しなくてもよかったんだぞ」

「そんなわけにはいかないよ。

レイジさんにはいつもお世話になってるから」

シュウは1つため息をつき、グラスを置く

「まさか、アイツが人間の女と結婚するとは思わなかった」

このパーティーはただの宴ではない

逆巻シュウの補佐、逆巻レイジの結婚を祝っての祝宴会だった

レイジは3年前、1人の人間の女性と惹かれ合い、先日契を交わした

今日はそれを祝して開かれた

また、この場を用いたのはレイジではなく
兄であるシュウの計らいだった

「でも、ちゃんとシュウはレイジさんの為に宴を開いてあげたでしょ?」

「別に、アイツの為じゃない」

素直じゃないなと思い、私はクスッと笑う



すると、音楽が止まり

会場の正面の階段からはレイジとその妻が姿を現す

眼鏡を外し、正装した、いつもとは違う雰囲気の彼に驚く

すると、急に背後から目を手で覆われる

「し、シュウ?」

「俺以外の男を見つめるんじゃない」

「えっ、そんなつもりじゃ....」

「大体、さっきから周りの男どもがあんたの事見てる。まぁ、王様の嫁に手をだそうなんて馬鹿な奴居ないだろうけど....ちゃんと自覚しろ」

シュウは後ろから拗ねたように囁き、耳にキスを落とす

私は顔が赤くなるのが分かった





/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp