第25章 家族
5年の時が流れ、逆巻はかつてのヴァンパイアの王としての権威を完全に取り戻し
もはや、王である逆巻シュウに楯突く者は居なくなった
皆を惹き付け、従わせる
これが、逆巻シュウの王の器としての力なのだろう
また今宵
魔界の城では盛大なパーティーが催されていたーーー
会場にはそうそうたる客人が集まり、ただのパーティーでは無いことは一目瞭然だった
一方、会場に向かう廊下には明らかに周りの者とは違う雰囲気の男達が歩いてくる
「ったく、この家はほんとにパーティーとか晩餐会とか好きだよな」
「こらこら、アヤトくん。そんな事言っちゃダメでしょー、今日はトクベツなんだから、んふっ♪」
「別にいいじゃないですか。お菓子もいっぱい食べれて。ね?テディ」
「つーか、つい最近じゃなかったか?シュウが結婚したのって」
廊下を歩いているのは、カールハインツの子息達だった
彼等を見ると、周りの者は頭を下げる
彼等が会場に歩みを進めると、すでに宴の前振りが始まっていた
中心で音楽と共に踊る人々
グラスを持ちそれを見る観客達
「あれ?王様の姿が見えないね〜」
ライトはきょろきょろ辺りを見渡す
「おい。どこ見てんだ。あそこだろ」
スバルが指さす方には、多くの人が頭を下げその中を通る2人の姿があった