第24章 結婚
「ふふふっ♪ユーマくんが甘えてる〜」
「!」
『コウ!』
声のした方を見ると、柱の陰からグレーのスーツを着たコウが覗き見ていた
「コウ....ッてめぇ!!」
「まぁまぁ♪」
コウは私の方を向いて可愛く微笑む
「じゃあ行こっか、らん♪」
コウはユーマの腕かららんの腕を奪い、そのまま廊下を歩き出す
歩きながら、ユーマの方を振り返ると彼は満面の笑みで送り出してくれた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
少し歩いていると、階段があり
コウは私の手を持ち、ゆっくりとエスコートしてくれた
踏み外しそうで、ぎこちなく歩いている私を見てコウは口を開く
「ふふっ。らん、可愛い♪」
「ッ//」
照れる横顔を見て、コウは少し寂しそうに微笑んだ
ずっと、自分の後を付いてきて、世話を焼きたがる....俺達だけの可愛い妹....そう思ってたのに、気がつくと彼女は立派な女性に育っていた
そして、今日....らんはシュウくんと結婚する
それを、実感すると嬉しいようで寂しいそんな衝動に駆られた
「どうしたの?コウ」
少し不安そうにする彼の顔を覗き込む
「....うんん。ただ、妹離れ出来てないのは俺も同じだと思っただけ♪」
えッーーー
コウは突然後ろかららんを抱き締める
彼の腕は私を優しく包んだ
「....らん....」
コウは寂しそうに呟き
「....らんが結婚しても...俺達が人間界に居ても....俺の妹で居てくれる....?」
彼は顔を私の首に埋める
そんな彼の頭を私は優しく撫でてやる
「ッ....!!」
「もちろんだよ。
たとえ、住む場所や種族が違っても....
ずっとコウは私のお兄ちゃんだよ」
コウの顔はパーっと晴れたように笑顔になる
「本当に?ずっと?」
「うん。ずーっと兄妹だよ」
コウはらんの頬にキスを落とす
「んっ....ありがとう。らん」
「シュウくんに、幸せにしてもらうんだよ?」
「うん....ッ!!」
コウは強く抱き締め、耳元で甘く囁く
『結婚おめでとう』