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不完全な『アダムとイブ』

第24章 結婚


それから一週間後ーーー



ついに式の日が来た

私は控え室の中で最終チェックをする

鏡の中に映る自分の姿を見ながら

昨日の事を思い出す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「えっ、式は下界で開くの!?」

それは突然の事だった

私は逆巻当主であるシュウの結婚式となれば、様々な魔族が来ると思い、魔界で式をあげると思っていた

「ん....言ってなかったか?」

「初めて知ったよ!」

珍しく下界に行っていたと思ったら....

彼のこうゆうところは全然変わっていなかった

「でも、なんで下界で?」

彼にとったら魔界で式を挙げた方が都合がいいはずなのに....

すると、シュウは少し照れくさそうに

「....俺はらんと出会った人間界で式を挙げたい」

「シュウ....//」

彼がそこまで考えてくれて物凄く嬉しかった

「それに....ドレスは純白のを用意させてる」

「え、でも、代々逆巻の伝統は漆黒のドレスじゃ....」

シュウは私の髪を優しく指で撫でる

「あんたは黒より白が似合う

それに、人間の式じゃ花嫁は純白のドレスだろ?」

「ッ!!」

私は彼に抱きつく

彼には適わないなとそう思った



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シュウは魔界でもちゃんと祝宴会を開くとそう言っていた

準備をするであろうレイジさんには少し悪かったけど、とても嬉しかった


「....可愛いドレス」

シュウの趣味だろうか
私が着るドレスは胸元が大きく空き、
大きな薔薇をモチーフにした可愛いデザインだった

私なんかには勿体ない

そんな事思っていると、また彼に怒られると思い
胸を張る

ヴァンパイアと人間

このドレスはそれを物語っているようだ



そして、ふと懐かしい彼等の顔が浮かんできた

一生に一度の大切な日....

この姿を見て欲しい....

らんには、そう思う人達がいた



そんな事を考えていると、扉をノックされる


もう、会場に来いということだろう


私は白いハンカチを手に取り、扉を開けるーーー


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