第22章 自由
ーーーーッ....んっ....
シュウが目を開けると、そこはいつか見た事のある光景だった
(ここは....)
すると、2人の子供が目の前を通り過ぎる
「!」
あれは....
森の奥の家には、火が広がり、大火事になっていた
思い出したくない....しかし目をそらすわけにはいかない
これはシュウにとって苦しい記憶だった
目の前の子供が火の中に走っていく....
ーーおい....待ってくれ....ッ
シュウは無意識にも手を伸ばす
ーーーエドガー!!
パシッ!!
シュウの手は眩い光の中
エドガーの腕を掴んだ
彼は振り返ると同時に口を開く
『ありがとな。シュウ』
「ッ!!」
彼の姿が、光となり消えていく
「....エドガー....」
シュウは伸ばした手を強く握る
なんで....礼なんか言うんだ....
俺はお前を....ーーー
『シュウ』
突然、背後から名前を呼ばれる
なんだか、懐かしいその声に彼は振り返る
「!」
少なからず驚いた
「久しぶりですね。シュウ」
昔と変わらない姿....
自分と同じ様な色の長い髪の毛
はっ。これは....俺になにをみせたいんだ....?
『....おふくろ....』