• テキストサイズ

不完全な『アダムとイブ』

第21章 永遠


シュウはちらりと辺りを見る

「....誰も殺してないんだな」

シュウは周りを確認して、ホッとした顔をする

「....なんで....そんな....ッ....」

ぎゅっと強く手を握られる

「あんたの手は....よごしたくない」

「!」

シュウの優しさに涙が溢れる

「ごめんなさい....ッ....私、シュウに....嘘ついた....ッ

怖かったの....一緒に過ごして、その日々が幸せで....だから、このまま一緒にいたら....ッ....」

言葉がまとまらない私の口にシュウが手を当てる

「分かってた....あんたがもう俺の元には戻って来ないって....

俺もあんたの立場ならそうすると思うから....」

「シュウ....」

「俺と....お前は似てる

....そうだろ?」

シュウは微笑む

「だから....俺があんたを迎えに行こうってそう決め....た....ッ...」

血がますます滲み出す

「シュウ....ッ!」

どうにか彼を助けようとするが
らんの身体にも同じ様に限界がきていた
もう、足に力が入らない....

「....はっ....お互い、ぼろぼろだな....」


「ごめんなさい....ッ....シュウ....」

シュウは辛い体を少し起こし、泣き続ける彼女の髪を撫でてやる

そして....


「らん....お願いがある....」

「え....ッ?」

突然の言葉に驚くと同時に
彼の透き通った葵い目に吸い込まれそうになる
そんな彼の口がゆっくりと開く




ーーー...."お前の血を....吸わしてくれ"







/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp