第21章 永遠
シュウはちらりと辺りを見る
「....誰も殺してないんだな」
シュウは周りを確認して、ホッとした顔をする
「....なんで....そんな....ッ....」
ぎゅっと強く手を握られる
「あんたの手は....よごしたくない」
「!」
シュウの優しさに涙が溢れる
「ごめんなさい....ッ....私、シュウに....嘘ついた....ッ
怖かったの....一緒に過ごして、その日々が幸せで....だから、このまま一緒にいたら....ッ....」
言葉がまとまらない私の口にシュウが手を当てる
「分かってた....あんたがもう俺の元には戻って来ないって....
俺もあんたの立場ならそうすると思うから....」
「シュウ....」
「俺と....お前は似てる
....そうだろ?」
シュウは微笑む
「だから....俺があんたを迎えに行こうってそう決め....た....ッ...」
血がますます滲み出す
「シュウ....ッ!」
どうにか彼を助けようとするが
らんの身体にも同じ様に限界がきていた
もう、足に力が入らない....
「....はっ....お互い、ぼろぼろだな....」
「ごめんなさい....ッ....シュウ....」
シュウは辛い体を少し起こし、泣き続ける彼女の髪を撫でてやる
そして....
「らん....お願いがある....」
「え....ッ?」
突然の言葉に驚くと同時に
彼の透き通った葵い目に吸い込まれそうになる
そんな彼の口がゆっくりと開く
ーーー...."お前の血を....吸わしてくれ"