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不完全な『アダムとイブ』

第20章 道標


血が飛び散るーーー


しかし、ユイには痛みは襲ってこなかった
「ぐはっ....!!」

「ユーマ....くん....?」

目の前でユーマが倒れ、血がユイにかかる

「チッ....外したか....」

「ユーマ!」

ユーマが受けたのは銀の弾丸だった

「ぐっ....」

「ユーマくん....ッ...」

ユイはユーマに駆け寄り
恐怖と悲しみでその場にへたれ込む

「お前....ッ....よくもユーマくんを!!」

コウはセイジに殴りかかる....が....

「コウ!待って!」

セイジは不敵に笑い
新生種によって、頭上からコウ目掛けてナイフが振り下ろされる

「ッ!!」

気づくのが遅く、コウの瞬発力を持ってしても、避けるのには体が動かなかった

(くそっ....ッ)

ガシッ!!

「えっ....ッ...」

ナイフからは血が滴り落ちる

「ルキくん....」

コウを助けたのはルキだった

「これ以上、俺の弟を傷つけるな!」

ルキは相手の首筋をナイフで裂く

「ぐわぁぁ!!」

新生種は倒れ、灰に変わる

「ルキくん....その手....」

ルキの手は血に染まっていた
ナイフを素手で抑えつけたからだろう、傷口から痛みが広がっていた

「....俺の事はいい。それよりユーマを運ぶぞ」

ルキ達は森の中へと駆けていく

「やはり、紛い物ではこの程度か....」

セイジは呟く

「小森様。逃げられてしまいますぞ」

「大丈夫だ。あの足では遠くには行けないだろう。お前達はあの者達を追え」

セイジは指示を出す

「しかし、小森様は?」

セイジはふっと微笑む

「私には客人が来ているようだからな」

森の茂みからゆっくりとこちらへ歩む人影があった

「また会えるとは

"隣星らん"」




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