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不完全な『アダムとイブ』

第19章 終始


ーーー幼い頃からずっと逆巻の長男として、教育を受けさせられてきた

そして、母親からは嫌というほどくだらない理念を押し付けられてきた

なにが、当主だ

なにが、カールハインツの息子だ....

そんなの....俺は知らない....ーー


(あの屋敷では、誰も俺を俺として見ていなかった....
逆巻の長男がもし、レイジだったら俺は違う事を言われ続けただろう。

....レイジが俺を気に入らない理由も知ってた。
母親を殺した犯人も分かってる....

アヤトがあのアバズレに馬鹿な理想を押し付けられて、泣かされてたのも、よく見てた....

まぁ、親父は最初から、その事を見透かしてたんだろうけど




俺だけじゃ無かったんだ....


俺はこのくだらない運命と時を恨んだ....

でも、今はこの運命を受け入れてる

アイツと出会えた事が俺をこんなにも変えたんだ....



そして、俺達は甘えていたのかもしれない....


親父が紡ぐ、この世界にーーー





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