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不完全な『アダムとイブ』

第15章 終焉の懐時計


「え....?どうゆうこと....?」

コウは意味が分からなかった

「....俺達がユイを奪えば、アダムの林檎計画は白紙に戻る。新しい種族ってやつも誕生せずにな。
でも、それは....らんの夢が一生叶わないって意味でもある」

「........」


「それに....もしらんが計画を放棄しても、ユイを手に入れたららんとは一緒に居られなくなる。だから....ルキは」

らんはあの方と同じ望みを持ち、
一族の為に今まで生きてきた

「え....」

コウはルキの方を見る

「なんで、何も言わないんだよ!
そんな理由があるなら....俺だって....くそっ!」


「....ルキは....コウや俺達に心配かけたくなかったんだよ....でしょ?ルキ....」

ルキは深く溜息をつく

「あの方を裏切れば必ずらんにも被害が及ぶ。それにあいつもカールハインツ様に恩がある身だ。
あいつを俺達の勝手に巻き込むわけにはいかない」

「........」

イブを手に入れれば、妹を失う

それはルキだけでなくコウ達にとっても厳しい選択だった


「ごめん....ルキくん。俺、何も気づけなくて....自分の都合ばっか考えてた」

コウは素直に謝罪する
少し目が潤んでいた

「いや....俺も悪かった。お前達にもちゃんと話すべきだった、これは俺達全員の問題なのにな....。

だが、これだけは言っておく

俺は心の底からお前達やユイと出会えた事を良かったと思ってる。
たとえ、これからお前達とユイの事や様々な事で仲違いしても、お前達は大事な兄弟だ。
それだけは....何があっても変わらない」

ルキの言葉に3人は顔を明るくする

「....ルキ....」

「そうだな!」

「うん!」

ルキとコウの仲もすっかり元に戻った様だった

そして....


「....その為にも....俺達は前に進まなければならない....」


ルキは拳を握り、言葉を続ける


だからーーーー






代償無くして大切なモノなど得られる事は出来ない....

それが彼等の答えだった
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