第15章 終焉の懐時計
コウはさっき遭った事を話す
「....あいつらはユイを見て、『お前じゃない』って言ったんだ....」
「....らん....か」
ヴァンパイアハンター達はらんを狙っている
理由は銀の血を求めての事だろう
「この家も直に見つかりそうだな」
ユーマは舌打ちをする
「だったら....ユイさんも....危ないね....」
イブである彼女が危険に曝された今、もう彼等には時間が無かった
「イブを傷つけるわけにはいかない。これは何があっても、絶対にだ」
ルキの言葉にコウは....
「だから、あの方の元にユイを返す
そう言いたいんでしょ?」
相変わらずコウは悪態をつく
「はぁ....おい、コウ!いい加減にしろよ」
ユーマはコウの胸ぐらを掴む
「二人共....やめなよ....」
アズサは止めに入る
「........」
ルキはコウの言葉に何も答えない
「ルキくんはいつもそうやって、分かった顔をする....
....どうせ、ルキくんは、ユイの事も....俺達も割り切った存在としてしか見てないんだ」
「!」
「てめぇ、ふざけんな!!」
ドコッ!!
ユーマはコウの顔を殴る
この言葉にはユーマも怒りを抑えられずにはいられなかった
「痛った....」
「やめろ。ユーマ」
コウは頬を擦りながら立ち上がる
「....大体、ユーマくんとアズサくんはどっちなんだよ。
このままユイを奪われてもいいわけ....?」
アズサは口を開く
「そんなの....俺も嫌だ」
「ならなんで、何も言わないんだよ!?」
ユーマは1つ溜息をつく
「あのな....ルキがお前にあんな事を言ったのは....「おい。ユーマ」
ユーマが言いかけたところでルキは言うなと目で合図する....が....
「チッ!!お前も、お前だ。言わなきゃ何も分かんねぇだろーが!」
ユーマは続ける
「ルキがあんな言い方をしたのはな....
ーーー"らん"が居るからだ