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不完全な『アダムとイブ』

第14章 不完全





んっ....ーーーー

目を覚ますと見慣れた天井と香りが漂っていた

頭には生温いタオルが乗ってあった

起き上がろうとするが頭がくらくらして後ろに倒れそうになる

サッ....

背中を誰かが支えてくれた

「大丈夫か?」


後ろを向くとそこには何故かシュウが居た

「シュウ!....なんでここに....?」

頭の中の記憶を巡らし、起こったことを整理する

「お前の兄貴が連れてきた」

「!」
私は意外な話に驚いた
あのルキが....

そして、シュウはベッドの端に座り込む

「体は大丈夫なのか?」

シュウは額に大きな手をあてる
若干体温が高かった

「もう少し寝てろ。まだ熱がある」

「うん....」

普段より優しいシュウの態度で何となくルキが何の為にここに連れてきたのか、想像がついた

「....シュウ....ルキから聞いたの?」

気になって思わず尋ねてしまった

シュウは1つ溜息をつき、足を組む

「あぁ。全部話してくれた。
アイツらの計画も背後に居る存在も....

お前の事も....」

私は毛布をぎゅっと握る

「はぁ....親父だったんだな。糸を引いてたのは」

そこで私は改めて実感する
そうだ....逆巻シュウの父こそが
ヴァンパイアの王、カールハインツなのだ

「昔からアイツのする事は理解出来なくて、めんどくさくて、嫌だった」

「でも....カールハインツ様は....私達の恩人なの....それにアダムの林檎計画だって、私の父との約束の為に行ってくれてる。素敵なお父様じゃない」

シュウは不満そうな顔をする

「例え、アイツが恩人だとしても
親父の事は信用しない方がいい。退屈しのぎで俺達を産ませたくらいだしな」

「男の子だから素直に言わないだけで、本当は大切に思ってくれてるよ。案外あの方は不器用だから」

「ふっ....アイツの事をそうゆう風に言えるのはお前だけだ」

シュウは微笑む


「ねぇ、シュウ....」

私は毛布を除け、起き上がり
斜めを向いた彼の方に体を向ける

「なんだ?」


「私の事....聞いたんだよね....」

少し気まずい雰囲気になる

「あぁ。」

平静を装うシュウにらんは下を向く



「....シュウはそれでも....一緒に居てくれるの?」

不安と疑問が混ざりあう....



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