第13章 正体
「....隣星....なんだか聞いたことがあります」
「でしょうとも。
隣星家とはヴァンパイアの中ではとても有名ですからね。
逆巻とも肩を並べる程の名家....だった。」
「!」
「まぁ、今となっては違う事で有名ですけどね。
隣星家の当主は禁を犯した。
その為、隣星家の者は当主の娘を除いて、皆虐殺されたと聞きましたが....
まさか、その1人娘が貴方だとは」
「........」
レイジは続ける
「この方は、銀の血(シルバーブラッド)を持つ者ですよ」
「!」
「銀の血って....確か」
「そう。まぁ、童謡に出てくる毒林檎みたいなモノですね。
その血は、蜜のように甘く、そしてヴァンパイアを魅力し、最後には毒に犯され、飲んだ者は死に至る。
全く醜い存在だ」
レイジはらんを卑下するように睨んだ
(この人....まさか、わざとアヤトくんを....)
「さぁ、ライト、カナト。その馬鹿を連れてさっさと帰りますよ」
4人は出ていく
「おい、らん大丈夫か!?」
ルキは弱っているらんを支える
「ルキ....やっぱり....ハァ....私は....」
「....何も言わなくていい....」
若干、頬に熱を帯びている
「少し熱があるな....」
冷たい手が額を冷やす
そのまま、らんはルキに体をあずける様に気を失った
「すまない....らん....」
ルキは何度も何度も謝る
その声は頭の奥底に響いていた