第13章 正体
(今の奴らは....聖職者....いや、ヴァンパイアハンターか)
先日アズサが彼等に撃たれたという話しを思い出す
まさか....らんを狙って....?
そんな中、ますますらんの顔色は悪くなっていく
「....おい。とにかく、帰るぞ。後始末は使い魔に任せる
お前は俺んとこの車に乗れ
送ってく」
シュウはゆっくりと立ち上がり、らんを支える....が....
「だ、だめ....」
「どうした?」
らんはシュウを押し返す
「シュウ....1人で帰って....私は大丈夫だから....」
非力な腕でシュウの支えを拒絶する
「何言ってんだ。そんな体で....大体、あんな事があって、お前を1人で帰すと思ってんの?」
「あんな事があったからだよ!」
「!」
少し大声を出してしまってらんは申し訳なさそうにする
「ごめん。
でも....シュウを巻き込みたくない....」
「やっぱり、あいつらはお前を....」
シュウは少し考え
フワッ....
体が浮く
「え....し、シュウ!」
シュウはらんを抱き上げる
「....大人しくしてろ」
「おろして!」
「嫌だ」
少しらんはぶすっとする
「大体、人の心配するくらいなら自分の心配でもしてろ」
シュウは抱える彼女を少し抱き寄せる
「........」
「リムジンは目立つからな....歩いて帰るか」
降り続く雨の中
シュウは人通りの少ない路地に入り
ゆっくりと歩く
そんな中、らんはずっとシュウの胸の中で泣いていた