第11章 無神アズサ
確かに銃声は聞こえたが、痛みは襲って来なかった
恐る恐る目を開けると....
「あ、アズサくん....?」
「ぐっ....い、イブ....」
そこには
ユイを抱きしめ苦しそうにするアズサが居た
「アズサくん、血が!」
アズサはユイの気配を追って教会まで来て
咄嗟に彼女を庇ったのだ
「だ....大丈夫....だよ....
とにかく、ここから…出よ....う....」
2人は出口に向かって走る
「待て!」
セイジは銃を構え、2人に向けて撃つ
もう、逃げられないかと思った時
「アズサくん!ユイ!
こっちだよ!」
教会の入り口にはコウがいた
辺りの異変に気づいたのだろう
「コウ!!」
「チッ!!ヴァンパイア風情が、よくも私の娘を!!」
セイジは標的をコウに定め直すが、
カチャカチャ
「くそ、弾切れか....」
その間に3人は森の中へと逃げ果せた
「小森様」
セイジの元に1人の聖職者が現れる
「なんだ」
「やはり、この街に潜伏しているようです」
「確かなのだろうな?」
「はい。間違いありません」
セイジは銃を投げ
不敵な笑みを浮かべる
「あの忌々しい力を再び我々の物にするのも遠くないな」
「待っていろ 隣星 らん」