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不完全な『アダムとイブ』

第10章 番外編


私は1人クラッシックのコーナーに居た

(そういえば....ラフマニノフの曲、聴きたかったんだよね)

五十音に並んでいる棚を手探りで『ら』行を辿る

(あ、あった)

一番手前にある物に手を伸ばす

すると....

「「え」」

自分とは反対側から同じ物に手をかける青年が居た

「え、あの....」

その青年は耳にはイヤホンを付け
だるそうに頭を掻いている
私は彼の青い綺麗な目に吸い込まれそうになる

「........はぁ....まぁ、いいか」

彼は後ろを向いて歩いていく

「?....よかった....のかな?」
不思議な雰囲気の彼に少しだけ違和感を覚えた

しかし、その直後、背後から兄弟の声がする
「らんー!何してんの〜?」

「欲しいものは見つかったか?」

私は一瞬考え、ラフマニノフのcdを元の場所へ戻した

「....うんん。大丈夫!」

そして、私はみんなの元へと駆けていった
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