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不完全な『アダムとイブ』

第9章 無神ユーマ【野望】


「ユーマ....」

私はユーマが手を出さなかった事に正直驚いた


「それに俺は今の生活が気に入ってんだ。背負うもんは多いけどな....

だから、あいつらには悪いが

俺は受け入れるって決めたんだよ

俺の"運命"をな」

そんな彼を見て、シュウは目を丸くする


「ふっ....あいつのそうゆうとこは....昔と変わってない」




「そうですか。なら苦しむといい。貴方も....シュウも....」



「お前もな....レイジ」

シュウは一言告げ

一瞬レイジは立ち止まり、何かを言おうとするが、何も言わずその場を立ち去る



「ユーマくん!」
ユイはユーマの元へ行く

「ごめんね....私、ユーマ君のこと全然知らなくて....だから....」

「はぁ....お前が謝んなよ。

謝るのは俺の方だ....悪かったな。
その....当たっちまって。
お前にも野菜にも罪はねぇ」

そんな2人を遠目から見る

「仲直り出来たみたいでよかった....」
シュウは安心するらんの横顔を見て

ポンッ

らんの頭に大きな手がのる

「ありがと....な。いろいろ 」
シュウは少し照れくさそうに言う


「うん。シュウこそ話してくれてありがとう」
微笑むらんの腰に手をやる
そして、顔をぎゅっと近づける

「え....し、シュウ//」

「お前との初めのキスは俺がするつもりだったのに、お前からされたからな....」
シュウは呆れた顔をする

「だから、俺からは熱いのをくれてやるよ....
一生忘れないくらいのな」

唇が重なる直前

「おい」

ユーマがただならぬ殺気で2人の方を見ていた

「ゆ、ユーマ....//」

「チッ....あぁ?なんだ」

「なんだじゃねーよ!お前、俺の妹に手ぇ出してんじゃねぇ!」

ユーマは怒鳴り散らす

「はぁ....うるさい。
このシスコン」

「あぁ!?」

シュウはらんから離れ、手を引き、扉に向かう

「ちょ、ちょっとシュウ!」

「はーぁ....つかれた」
シュウは話も聞かず
2人は階段を降りていく



「ったく....あいつら全く話聞いてないな....」

ユーマは不満そうな事を言うが
なんだか楽しそうな顔をしていた

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