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不完全な『アダムとイブ』

第9章 無神ユーマ【野望】


2人が去り、屋上にはユーマとユイだけになった

「おい。ユイ」


「?」

ユイがユーマの方を振り返った瞬間....

ちゅっ....

「....ッ....//」

半ば不意打ちにキスされる

「ゆ、ユーマくん....//」

「くっ。すげー顔」

赤面していた顔を指摘され、益々熱くなる

下を向くユイの頬にユーマは手を添える
いつもの、乱暴さは無く
物凄く優しいキスだった

「ユイ....

俺はずっと、考えてた。

どうすれば、イブを....お前を手に入れられるか....
ボス達の望みを叶えられるか....

でも、今日気づいたんだ

どんなに、文句や邪魔されても変わらねぇ
あの二人を見てたらな


俺は本当は後ろめたかったんだ....
1人だけ生き残って、何の恩返しもせずに生きていくのが

だけど、
もう、俺は決めた。


たとえ、俺がアダムになれなくたって、どうにかしてお前を手に入れてやる。


あの方は許さないだろうけど、俺は足掻いてやるよ。最後の最後まで....」

ユーマは拳を強く握る


「きっと....ユーマくんはもう、みんなに恩返し出来てると思うよ

そんなに必死に思っているんだから。

それに、ユーマくんが幸せになる事が一番のみんなへの恩返しじゃないかな?」

「!」
この時、ユーマの心の霧はスーッと消えた気がした

ボスの言葉を思い出す

ー俺は、こんな戦争や貧しさが無い国を作りたい。みんなが幸せになる為に、俺達で世界征服でも、何でもやってやろうぜ!
お前とならなんでも出来る気がするんだ!ー

「ふっ....そうかもな」

ユーマの心にあったつっかえが無くなっていく


それも、イブのおかげなのだろう
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