• テキストサイズ

【イケメン戦国】短編集✲*゚

第11章 【徳川家康】落ちると下りるは速度の違い(裏)





「家康様」
「…なに」


「もぅ、焦らさないで、ください」



今の、紆余曲折を経た私たちだからこそ、こうして睦みあえるのだ、と。
ぴったりと、心も体も寄せあって、漸く気付く。


過去にも未来にも、今にしか、今の貴方はいない――



家康様は何も言わずに、頷くと。
額の汗をぐいと拭い、私の両の足を抱えた。


気遣うように優しく見つめてくれる家康様を、見つめ返す。
ぐり、と押し付けられた灼熱の塊に、はしたない程期待に満ちた息が漏れた。



「もう、やめろったってやめられないからね」

「…私はもうとっくに、やめられませんよ?」




連れてこられて始まったけれど、貴方を選んだのは私自身――






「私の好いところ、もっと見つけて」







そんな恥ずかしい言葉を口走って、無理矢理に顔を上げ、唇を押し付けるように合わせる。
下腹部に感じる鈍痛に、上がる声が口内で爆ぜた。



痛みが霧散したあとに、じんわりと溶け合って、均一になっていく体温が嬉しくて、しがみつく。




/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp