第5章 山田さん
振り向くとそこには私より少し小さい黒髪ぱっつんでつり目のかわいい女の子が立っていた。
種「あ!葵ちゃん! 麗儸ちゃん、この子が山田葵ちゃんだよ」
『は、はじめまして。結城麗儸です。』
葵「ふんっ!山田はあなたと仲良くする気はありません!お兄ちゃんである相馬さんと、お母さん(候補)である八千代さんや、その他の山田の家族をとったあなたとは!」
…え!?
『相馬さん、山田さんのお兄さんだったんだ…でも名字が違うような…っていうか八千代さんがお母さん!?八千代さんは確か20歳だったような…』
種「えっと…本当の家族じゃなくて、葵ちゃんの“理想の”家族なんだよ…」
パニックしていた私に種島さんが教えてくれた。理想かあ
葵「とにかく、あなたとは仲良くなんてそませんから!」
山田さんはこう言って屋根裏へ行ってしまった…屋根裏!?
種「葵ちゃんはね、記憶喪失になっちゃって家に帰れないから、今はここの屋根裏に住んでいるんだよ。」
へえ…そうなんだ…。だから家族が恋しくて理想の家族とかを作っているのかな…
なんだかかわいそうになってきた。これからはできるだけ山田さんに優しくしてあげようかな…