第5章 山田さん
相「やあ、麗儸ちゃん★今日もかわいいね!」
…さっきから相馬さんが黒い笑顔で私に「かわいい」と連呼してくる。
当然、こんなことを言われ慣れていない私は
『別にかわいくなんかありませんよ! あと、毎回言ってますが私はドSが苦手なので、近くに寄ってこないでください! その輝きもやめてください!』
相「そんな反応がかわいいんだってばー★」
さっきからこんな会話をエンドレスしている…
もういいかげんに向こうに行ってほしい。こっちは仕事に集中できない…
《それにしても相馬さんは私がどんなに嫌がったり殴ったりしてもいつもニコニコと私に近寄ってくる…もしかして本当はドSじゃなくてドMだったりして…!?》
相「…そういう発想はやめてほしいかなー」
ま、また心を読まれた!?
そんな私たちを上から見ている影が1つ
葵(山田の兄である相馬さんとあんなに楽しそうに…お母さん候補である八千代さんとも仲がいいし…むむむ…)
もちろん私はそんなことを考えている人が頭の上にいるなんてことも知りません。
目の前の相馬さんは 7ゾクッ くらいの黒い輝きを放っている…
『私、種島さんとお話ししたいことがあるので、もう行きますね』
はあ… もういやだ…
しばらく歩くと、フロアで種島さんが掃除をしているところを発見!
『あの 種島さん、今大丈夫ですか?』
種「あ、麗儸ちゃん! どうしたの?」
『まだ 山田さんという人に挨拶ができていないので、暇な今のうちに挨拶をしてしまおうと思いまして…』
種「そうだね! 今日はシフトも入っていたし、探しに行こうか!」
葵「探しに行く必要はありません。山田はここにいますから」
私たちの後ろから、かわいい声がした。