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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第5章 わんこと衣装(薬師視点・幸村・佐助)



甲斐へ着いた早々、幸村さんがもの凄い勢いで私の元へやってきました。

なにかと思えば。


「あれ、幸村さん。それって新しい装束ですか?」

「あ、ああ。その、夢姫どの……どう、だろうか?」


新しく仕上がった衣装を、私に見てほしかったらしいです。

なんだか…ほめて欲しくて、しとめた獲物を飼い主に見せにきた犬のよう。


「とっても似合っています。かっこいいですよ」

「っ…そ、そうでござるか」


にっこり笑ってほめれば、カァッと赤くした顔を背けて照れる幸村さん。

いやぁ、かわいいです。

癒されますねぇ。

でも。

それだけでは物足りないのが、複雑な女心と申しましょうか。


「今度のは、体が全て隠されているのですねぇ」

「うむ。体を冷やしすぎてはよくない、と……そ、そなたも…申しておられたから」


ええ、言いましたとも。

ただそれは、薬師としての意見であって。

私の個人的な意見を述べさせてもらうならば。


「…あの衣装を見ることができないのは、少し残念ですね」

「え……」


ああ、幸村さんの素敵に引き締まった胸筋、腹筋。

転びそうな振りをしても、もうあの生肌に触れることはかなわない。

そう考えると、切ないものですね。


「あ、あの…前の衣装の方が、よかったであろうか?」

「いいえ、そんなことありません。これはこれで、とても素敵です」


ええ、雰囲気が違って見えて、これはこれで良いのですよ。

でも、やっぱり、萌え要素が足りないのは痛いですね。

とどめとばかりにフ…と小さく息をもらせば、幸村さんの表情が焦ったものに変化した。


「そ、某っ、着替えてくるでござる!!」

「あっ、幸村さーん?」


引き止める声もむなしく、幸村さんは素晴らしい轟音を立てて走り去って行きました。

…………………………
………………………
……………………
…………………
なーんて、ね。

ふふふふふー。

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