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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第2章 尊き光と軍神(薬師視点・謙信)



青い、青い空。

どこまでも広がる。

白い、雲。

浮かんで、流れていく。


「どうかしましたか?とうとき ひかりよ」

「いえ、ちょっと……空がきれいだなぁって見ていました」


きれいな、青空。

まるで、この方の瞳のような。


「…こまりましたね」

「え?」


見上げた青に、違いなどないのに。

広い空を飛ぶのは、見慣れた機械の翼ではなく。

聞こえてくるのは、地に轟くような唸るような音ではなく。


「なにかあれば、えんりょせず いうのですよ」

「あ………はい」


長く長く伸びていく、飛行機雲が見えないことが。

妙に寂しく感じた。


「あとで、ともに おちゃでも のみましょう」

「はい」

「ゆめき…とうとき ひかりよ。わたくしは、いつでも そなたの そばにある」

「…謙信様」


それでもいずれ、慣れていくのだろう。

自然の多い不便な環境にも。

激しく哀しい時代にも。


「わすれては なりませんよ」

「はい」


厳しくも優しくもある、この方のそばで。

きっと…ずっと……。


◆・◇・◆・◇・◆
薬師夢姫さんが、BASARAな世界にきてまだそれほど経っていない頃。
いつも傍で見守り、優しく支え続けていた謙信様でした――なお話。
謙信が「こまりましたね」と言ったのは、夢姫さんが泣きそうな顔をしていた為。
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