第1章 初めて
3話
息が白い。流石に北陸地方の三月は、まだ寒い。
予定時刻より1時間遅れてついた。まぁ、きっともう家にいるのかな。迎えに来るって言われたけど。流石にこんな寒い中待っていないだろう。
そう思いながら深夜バスロータリーを抜け、ホテルを探すため反対側の駅の出口に向かった。
その時、中央改札前を通りかかるとそこには、身長が高く細身の男性がスマホを弄りながら飲み物を片手に誰かを待っているようだった。私はまさかと思い、そのままスルーするとラインの通知が鳴った。
「着いた?すげー寒い笑改札らへんで待ってるから着いたら来て」と彼から来た。
ラインを見た瞬間後ろを振り返った。細身の男性は、まだかと上を向きながら少しため息を付いていた。その男性こそが彼だった。彼の顔は、彼が恥ずかしがって写真を送ってくれなくてほとんど見たことないに等しかった。
私は、彼だとわかった瞬間走って駆け寄った。
「あの…まーくんですか?」
「はい。ゆず?」
「うん!!」
私は、まーくんに会えて嬉しすぎて涙が出てきてしまった。
「?なんで泣いてるん?!」彼は、少し私の顔を覗き込みながら言ってきた。私は、大丈夫ごめんと笑顔で返した。
「じゃあ、行こうか…。」
「うん。」