第3章 ―後輩ワカメ野郎―
「へぇ、そんなに先輩が偉いんすか」
「あのー……切原、君?」
どうしよう。切原がジリジリ迫ってくる。
忽ち私は壁に追い詰められ、逃げ場が無くなってしまった。絶体絶命のピンチ。
「切原一旦落ち着こうか……!」
「先輩ってこんな状況でも冷静になれるんすか」
ぎゃあああ!股下に膝入れられたあああ!
「きっ切原!マジで止めっ……誰かに見つかったらどーすんのよ!?」
「んなの、見せつけてやれば良いじゃないっすか」
漫画に出てきそうなセリフを言うな!
つか本当にヤバい!充血してる目がマジだ……っ
あ、そうだ。
「……真田副部長の裏鉄拳」
「っっ……!」
お、反応した。当てずっぽうで切原の怖そうなもの言ってみたんだけど正解だったな。
「……あれ?俺どうして……わっ!先輩すいませんっす!」
「いや私の方こそなんかごめん」
苦労してんだね。
結論、切原がデビル化したらテニス以外では誰彼構わず襲う。そして弱点は真田副部長……っと。
うん、これは記事に出来そうだ。