第17章 -学校に帰るまでが遠足です?-
「ありがとうございましたー!」
皆コートで向き合って一礼する。
帰り支度を済ませると皆でバスに乗り込んだ。
「美琴ちゃんまた遊びに来てな」
「ちゃん付け物凄く気持ち悪いです」
「丸井君も美琴もバイバーイ!」
「じゃーねー芥川くーん!」
「俺とジローの差あり過ぎやない?ちゅーかいつの間に仲ようなったんや……」
ウインクをする忍足を軽くあしらうと、隣の芥川君(樺地君に名前を聞いた)が手を振ってくれたので私も同じように手を振ってあいさつを交わした。
はぁ~芥川君天使だったなぁ。こっちの部長とは大違い……
「俺がなんだって……?」
「いやーとても出来た部長だと!私は幸せだなー!」
「フフ。それならいいんだけど」
そしてちゃっかり私の隣に座る幸村。
ごめん、怖くて何も言えない……。
何も喋らない私達とは対照的に、後ろの面々は騒がしい。
あぁ、今はあの光景が羨ましい……。
「貴様ら学校に着くまで気を抜くんじゃない!帰るまでが遠足なんだぞ!」
「え、真田何言ってんの……?」
「っ!いや、これは口が勝手に……!」
お前は幼稚園児か。
でもあんなに厳しい真田が遠足て。とうとう自分が老けすぎてて現実逃避したのか?
「フフ。おっさん顔が何言ってるの?」
あ、幸村の仕業か……