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彼の魔法はよく効きます【R-18】

第4章 帰宅


「お、ルーク。久しぶりだな」

ルークの知り合いだろうか。
胸元までボタンを開けた白いシャツのラフな格好の背の高い若い男に声をかけられた。

「その子、人間か?」

「そうだよ。僕の彼女さ」

彼女。そう言われたことが嬉しい。

「エマ、この人は僕の友人なんだ」

「俺はジョージ。よろしくな」

「エマです。よろしくお願いします」

簡単な挨拶をする。
ルーク以外の魔族と話すのは初めてで少し緊張した。

「人間なんて久しぶりに見たな。しかも付き合っちまうなんてよ。ま、幸せになれよ」

じゃあなと言ってジョージは周りの家よりも大きい建物に入っていった。
テーブルや椅子が並べてあるのが見えるので飲食店だろうか。

「ジョージは酒場をやっているんだ。今は静かだけど夜は賑やかだよ」

「今日は帰らなきゃいけないけどいつか行ってみたいな」

「そうだね。今度一緒に行こうか」

気がつけば太陽が少し傾いてきている。
じきに暗くなってくるだろう。

「もう帰らなくちゃ」

「捕まって。いくよ」

ルークの瞬間移動でルークの家にある荷物を取ってからエマの街に隣接する森まで送ってもらった。

「気をつけて帰るんだよ」

「うん。ルークもね」

夕焼け空が寂しさを増幅させているように感じる。

「じゃあまた明日ここでね」

ルークはそう言うと軽く口づけをした。
名残惜しそうに唇が離れるとエマは街へ続く道を歩き出した。
そして振り返って手を振る。
ルークも手を振り返してくれた。

少し歩くと石畳の道になりやがてエマの家が見えてきた。

「ただいまー」

「おかえり。お泊り楽しかった?」

「う、うん」

友達の家に泊まると嘘をついたことに少し罪悪感を感じながら返事をする。
エマはルークが人間だったら紹介できたのかなあと心の中でつぶやいた。
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