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サイコパスカンタ

第3章 視線


翌日、せつーが目を覚ますと時計は11:30を指していた。
「あー、目ぇパンパン・・・泣きすぎて寝すぎてやばーい」
誰に伝えるでもなく、自分を励ますように明るく振る舞う。
ベッドから出ようとした時、また視線を感じた。
それは、姿を見られているというよりも、家の外からの視線。
カーテンを少しだけ開いて外を見る。
「誰も・・・いない?」
勘違いかと安心し、出かける用意を始める。
どこへ、何をしに、誰と、何も決めていないが、とにかく外に出たかった。
「いってきまぁーす」
少しでも気分を明るくしたくて、元気に家を出たせつーはすぐに視線を感じる。
「勘違い、勘違い!」
言い聞かせるように足早に駅へと向かう。
とにかく、少しでも人通りの多い場所へ。

駅に着く頃には視線は感じなくなっていた。
「やっぱり気のせいだったのかな?」
わざわざ声に出すのは、まだ少し不安が残るから。
それでも気を紛らわせようと大きいショッピングモールのある駅への切符を買う。
「今日はいっぱい買って、ストレス発散するぞぉー!」
小さく拳を握りしめ、決意を固めて電車に乗る。
そんなせつーを見つめる視線に、今度は気付かないままに。
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