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まだまだ青い白鳥たち

第1章 これからもずっと


「ほら天童行くぞ。これ以上騒いだら先輩達に怒られるだろ。緑川、またな」
「…うん、瀬見くんまたね」


瀬見くんが天童くんを連れて部屋の端のほうへ移動してくれた。瀬見くんの機転と優しさに大感謝だ。これ以上は何も注目されたくなかったから。スーパーエースとして期待されて高等部にきた牛島に、私のことなんかで迷惑掛けたくない。


私はリカコに声を掛けると部屋を出て、外の女バレ部員の輪に入れてもらった。そしてしばらくみんなと雑談を楽しんだ後、早めに帰宅することにした。今日はもう牛島と話さないほうがいいと思ったから。


後日私はこの歓迎会の日に、牛島が私を探していてくれたことを知る。牛島は私が一足先に帰ったことを知らなかったから。この日にちゃんと話をしていれば、私と牛島はあんなにすれ違うことにならなかったのかもしれない――――。


















「なつみちゃん!」
「あ、瀬見くん」


今日の部活でやるメニューも終わり、私と数人の一年生だけで居残り練習をしていたところ、女バレの体育館に瀬見くんが現れた。


「どうしたの、急になつみちゃんなんて呼ばれるとビックリしたよ」
「はは。天童も呼んでるし、ま、いいじゃん?」


そんなに爽やかに笑い掛けられると何も言えなくなってしまう。イケメンってやっぱり得だよなぁ。なーんて。


「はい、これ。体育館のメンテナンス日程表ね。本当は女バレの部長に渡せって頼まれたんだけど、いないみたいだからさ。お願いしていい?」
「もちろん。わざわざありがとね瀬見くん。…あれ、いつもなら牛島がこういうのやってるよね?」
「あー、若利は一年の女子に捕まっててさ。」
「…女子?」
「マネージャー志望っつーの?ウチは女子マネ採用してないから、コーチか監督に直接話してくれって言ったんだけど、しつこくてなぁ」
「それでその子、牛島に頼みに来てるんだ?」


うんうんと瀬見くんが頷いた。瀬見くんの反応からすると、かなり厄介な子みたい。


「…なつみちゃんさ、あれからどう?」
「あれから?」
「ほら、歓迎会の時。若利と天童と騒ぎがあったじゃん。まー天童はあんな奴だからさ。何も深く考えなくていいと思うんだけど」
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