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まだまだ青い白鳥たち

第4章 利害


なんの因果か、私と高岡さんはあの日を境にだんだんと仲良くなっていった。


周りにあの日(私が男女混合試合をバックレた日)のことを聞いた限りだと、高岡さんがあまりにも男前に「迎えにいってくる」と言い放ったため、全員がポカンとなり高岡さんに任せてしまったそうな。なんだそりゃ。


まるで少女漫画のヒーローのようだった。落ち込んだ主人公を慰め、皆のもとへ連れて帰ってくれるヒーロー。牛島が来てくれてたらそりゃもう私の頭の中はお花畑一直線だったに違いない。でもよく考えてみたら、牛島は中等部の頃からそういう時に慰めてくれたり、気の利いたことをしてくれた試しがない。


でも牛島は…
どんなに泣き腫らした目をしていても、どんなにヒドイ顔をしていても、いつも通りに何も無かったかのように接してくれる奴だ。…ってあーもう。牛島のことはもういい。…いいんだ。


とにかく、高岡さんはさすがとも言うべきかメキメキとスーパーマネージャーへと成長していってる。雑用や細かいルールなど私に聞きに来たりもするし、なんと手が空いた時には女バレのマネージャーもたまにやってくれている。これには本当に助かっている。


そして今日は久々の部活オフで、帰りはリカコと寄り道することになっている。HRも終わりリカコと一緒に昇降口へと向かっていると、


「…天童くん、どしたの?」


うちのクラスの下駄箱に天童くんが寄りかかって誰かを待っているようだった。


「男バレも今日オフなんだ。なつみちゃん一緒にアイス食べ行かない?話したいこともあるし。最近できた可愛い店なんだヨ」
「ばーーーか!天童!その店に今からなつみと二人で行くんですぅー!」


リカコがべーっと舌を出して天童くんに「じゃあな」と捨て台詞を吐いている。…なんでそんなに天童くんを嫌っているのか全然分かんないんだけど…。


「あー、諸越ちゃんも行くの?じゃあ3人で行こうヨ。諸越ちゃんにも話聞いてもらいたいし」
「は?」


マイペースな天童君の言動にリカコのこめかみがピクピクしているけれど、一緒にアイス食べ行くぐらいならケンカとかにはならないよね…?
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