第9章 大総統
『ロイ…私は平気、痛くないまだ戦える』
ロイの顔が険しくなる
「…お前は感覚が鈍いんだ、休め」
ロイが低く言う。
『っ、でもっ!』
「国家錬金術師の試験で私との約束を覚えているか?」
『うん…覚えてるよ』
ロイが少し悲しそうな顔をした気がした。
「俺より先に死ぬことは許さない、だから休め」
『わかっ…た』
その約束のことを出されると休まざるを得ない…
「お前の分も私が頑張るから」
なんて言って去ってしまった。
『………………………。』
私は無力だ、結局ロイのこと守れてなんていなかった。守られてるのはいつでも私の方だった。
悔しい
私がここに来て、こうやって戦うのも…
全部ロイのためなのに!
自分の目的が果たせないのは軍図書館で嫌ほどに知った。
私はロイのために戦うのと…
自分で犯した禁忌…人体錬成によって生み出した
ホムンクルス(人造人間)を殺すのが私の役目。