第9章 大総統
〜イシュバール戦〜
『…っ、酷い…子供にも容赦ない…』
イシュバールは酷いものだった…
女子供にも容赦なく…命を…奪う…
でも…それが私の仕事…
やるしかないんだ…進むために…
「え…」
小さな女の子と目が合った…
「や、やぁ、…」
……殺さなきゃ…やらないと…
私が躊躇してると…
パチンッ
と、指パッチンの音
『ロイ…』
ロイだった…女の子は焔に包まれて…
灰になった
「何を躊躇してる、これはイシュバールとの戦争だ
若しかしたら死んだのは…お前かもしれなかったんだぞ」
わかってるよ…そんなこと…
わかってるけど…
わかんないけど…!胸の奥でダメって言ってるんだ…
感情があれば…わかったの?
そう考えてると…
「っ!」
『…!』
「妹の恨みだっ!」
男の子がナイフを持って私に向かって来た
あまりにもぼーっとしすぎてよけれず…
『……っ?』
お腹から赤いシミが広がる…
「あ…あ…」
男の子の手元にナイフを伝って血が滴り落ちる
「どけっ!」
ロイが男の子を殴り飛ばした