第12章 〜双子の兄弟〜
セントラルを離れて早2ヶ月、色んな場所へ回り錬金術について学んだ
どうやら私は錬金術についてあまり知らなかったみたいで、錬金術には無限の可能性が秘められていることが分かった。
でも、それだけじゃ足りない
ロイの役に立つにはそんなもんじゃ全然足りない
もっと、もっと知らないと…じゃないと私は…
自問自答をしながらとある街を歩いていた
でもなんでか分からない、何をそんなにロイに対して執着しているのかが
別にロイは私の兄弟や、恋人って訳でもない
お互いの利害のためにいるようなものなのではないか?
わからない、自分の心がわからない
錬金術について知れても自分の心のことだけはずっと分からないままだ
「なんなのよ…」
ポツリ、と呟いた私の声は街の喧騒に淡く溶けていく…誰にも聞かれることも無く
ふと、空を見上げる
雲ひとつない青空
あぁ、あの日もそうだったな…と思い出さないようにフードを深く被り俯きながら次の街へと私は向かった
たしか次の街は
リゼンブール
何故かそこに行かないといけない気がしていた