第4章 私の秘密、私の償い
「私……淫魔、なんです」
私の父は鬼だけど、母は淫魔だった。
だから正確には、淫魔の血を引いているだけで、100%っていう訳じゃない。
でも私は、どの淫魔よりも姦淫能力が高いとされた母をはるかに凌駕するほど高い力を持って生まれた。
しかも、普通、淫魔の姦淫能力は自分が発動しようと思った時に発動できて、その力の強弱もつけられるのに対し、鬼を父に持つ私は、そのコントロールが全くできなかった。
そのため、動揺しすぎたり、同じ部屋にいるだけでも姦淫してしまうことがよくあった。
そして、普通ならありえないことだという、母が私の力を吸収する儀式が行われることが決定したのだ。
でも、その日を心待ちにしていた私を裏切るかのごとく、母はその前日、事故で帰らぬ人となった。