第3章 一夜が明けて
「なんでもありませんよ。」
フフっと鬼灯様が微笑む。いつも無表情な鬼灯様の笑顔は、とても綺麗で。私がなにもさせてないってわかって安心したせいもあって、すごくドキッとした。
こんな人と、昨日、同じ部屋で寝たんだ、私。高鳴る鼓動をごまかして、身支度を整える。
(うわぁ、寝起きって顔が超不細工に見えるなぁ……。幻滅されたかも)
顔を洗って、目元や顔のマッサージ。昨日持ってきていたブラシで髪をとかし、歯を磨く。歯を磨きながら、ふと気になったことを質問する。
「今日、日曜れふふぇど、仕事ってあふぃまふか?」
「…通訳すると、今日は日曜だが仕事はあるかっていう意味ですか?えっと、今日は…そんなにないですね。かるーく視察に行くぐらいです」