第2章 制服の羽根(月島)
「あれ、でもひまりちゃんさ~」
「ん?」
「息切れしてるわりには汗かいてないね?髪はめっちゃダレてたのに」
「あ~そうなの。私汗とかあんまかかないんだよねえ」
「確かに!体育の時とかも全然だよね」
「うん~そうなんだ~楽だよ」
「いいなあ、制汗剤要らずじゃん!」
「あは、一応ちゃんとスプレーしてるけどね~」
誰か一人くらい窓から校庭を走る彼女を見ていた者がいないのだろうか。
そしてそれを彼女に指摘はしないのだろうか。
いや、ほんとに。
しかしそんなことを指摘する女子は一人もいない。
周りを見渡しても天使という存在を不思議に思うヤツらもいないようだった。
いよいよ本格的におかしい。
一体どういうことだ。
僕は夢でも見ていたのだろうか。
いや、肩に掛けていたスクールバッグは確かに彼女のものだったし、、そう考えたところで始業チャイムから5分後に先生がようやく教室に到着。
女子たちも自分たちの席へと戻り、ホームルームが始まった。