第3章 第三章 光と影
今日も1日が始まる。
長い永い1日が....。
『いってらっしゃいませ。狐珀様。』
「いってきます。」
玄関先で瑠衣から羽織を受け取り門を出る。
いつもの様に結界を張り、八番隊隊舎に向かった。
息を吐く度に白い靄が生まれては消える。
冷たい空気に肌が触れ、ブルリと寒気がした。
まだまだ冬なのだと空を仰いでみる。
曇天の空からは今にも、白い粉が降ってきそうだ。
視線の先にあるのは、シンッとしている八番隊隊舎。
中からは幾つかの霊圧を感じるが、その中に京楽隊長と副隊長の霊圧はない。
また、鬼ごっこをしているようだ。
瀞霊廷内で霊圧を探れば、いる場所はわかった。
十三番隊だ。
ここは、後にしよう。
私は九番隊に向けて、足を進める。